高級住宅街でも一際目立つ豪邸に帰れば、母がソファに座ってた。
元国民的モデルの母は、40になってもまだ相変わらずのスタイルを保ってる。
その美貌とスタイルを分けてくれた母には感謝してる。
「茉理、あなた最近ちょっと遊びすぎじゃない?学校の方は大丈夫なの?」
心配そうにそう聞く母。
「大丈夫。今日は疲れたからもう寝るわ。」
ミネラルウォーターを冷蔵庫から出して自室に上がる。
部屋に入ると、ベッドに寝転がって携帯の電源を入れた。
あ、正輝からメッセージだ。
開けると、
『茉理、ちゃんと会って話したいんだ。終業式の後、教室で待っててくれないか?』
あ、そういえば明日終業式だっけ。
ていうことはもう毎日梨香子たちに嫌がらせされなくても済むのか。
ていうか正輝も私に今更何言いたいわけ?
めんどくさ。
携帯を切ってベッドに投げると、机の上の写真縦が目に入った。