翌日。
昨晩は一睡もできないまま登校した。
隈がくっきりとできてたけど、メイクでうまく隠した。
登校している合間も、どうやって紗希に昨日のことを説明しよう、と考えていた。
でもまあ紗希のことだし、説明すればわかってくれるでしょ。
正輝の告白もちゃんと断ったし。
そう自分に言い聞かせると、少し気が楽になってきた。
ガラ、と扉が音を立てて、教室に入る。
でも入った瞬間、凍り付いたように教室がシーンとする。
何、この雰囲気。
自分の机の方に歩いてくけど、
「ない…」
机が、ない。
でも変わりに聞こえるのは、
梨香子たちの、笑い声。