「正輝は?」



「俺?俺もいねーよ。」



気になって正輝にも聞き返してみたけど、意外な答えが返ってきた。



へ~、じゃあ紗希チャンスじゃん。



「でも遊んでる子たちは山ほどいるでしょ?」



「はぁ?それもいねーよ。俺は結構一途な男なんです~。」



「一時期毎晩毎晩違う子と寝てた奴が言っても説得力のかけらもないんだけど。」



そう、一時期、正輝はなんかすごい女癖悪くなって。



でもたしか私が彼氏と別れたときにピタッと止まって。



単なる発情期か~、ってあんまり気にしなかった。



ていうかなんで私正輝と恋バナしてんの。



「それを言うなら茉理も男とっかえひっかえだったじゃねえか。」



まあ正輝の言う通り、いろんな男を付き合っては別れ、付き合っては別れを繰り返した私にどうこう言う権利もないんだけど。



まあそれも前のこと。



もうそんなことはしてない。





「過去の恋愛なんかの話してないでさっさと掃除終わらせるよ。」