俺はモテる。
掃いて捨てても余って、佃煮にするほどに女が寄ってきた。
そんな俺だから、告白なんてはじめての経験だった。
いつも向こうから告白されて、気ままに付き合ってきた。
そして、気が向かなかったら切り捨ててきた。
とにかく、あっさりしたものだった。
だから、告白なんてこんなものだ。
そう思っていた。
俺の告白への水野のそっけない反応もさほど気にも留めていなかった。
そう、この時に気づくべきだった。
こんなことに気づかなかったなんて、やっぱり緊張しまくりだったんだろう。
俺の反応と同じということは、どうでもいいということだったのだ。
とは言っても、水野は俺と違って故意に人の気持ちを踏みにじるようなやつじゃない。
どうでもいいとまでは思っていないだろう。
仮にも俺たちは友人だし。
何かが変わると思いした告白には水野に俺の気持ちを気づかせる効果しかなく、意識してもらうまでには至らなかった。
告白の前後で水野の俺に対する態度に変化なし。
気まずそうな様子もなし。
俺の告白なんて忘れてしまったかのような態度だ。
今まで通りで構わないとは言ったが、これには深いため息がこぼれる。
告白から二週間で早くも俺は次の一手を考えることを余儀なくされた。
俺としては、意識さえしてもらえれば、水野への特別扱いも気づいてもらえると思ったし。
少しは、それに対し頬を染めてくれるかと思ったら。
もしかして気づいていないのか。
気づいていて、無反応なのかさえわからない。