「何するんですか!?いきなり」
俺を睨みつつ、おじさんに抗議の声あげた。
「こっちに帰って来てからずっと元気がないんだ。どうしてくれる!?小春の笑顔が俺の癒しなんだぞ!!」
親馬鹿炸裂だ。
「俺だって、小春にもう二度と笑いかけて貰えないと思うと生きた心地しませんよ!!」
お前は自業自得だ。
お前なんかに、水野の笑顔はもったいない。
水野が俺に笑いかけてくれれば十分だ。
「仁、お前のせいだ。どうにかしろ。お前にしか小春を元気にさせることはできないんだ」
おじさんの真剣な顔に、仁は頭を掻く。
「まだ、小春に言うべき言葉が見つからないんですよ。どうすれば良いのかわからないんです」
今度はおじさんが頭を掻き毟った。
「仁~!!役立たずめ!!もう俺が行く!!」
おじさんは憤然と障子を開けて、階段を上った。
障子を開けるまでは威勢が良かったのに、階段はそろりそろりと上っている。
俺はため息を吐いた。
おじさんじゃどうにもならない。
仁も役立たず。
それなら、
「おい。てめぇは、でしゃばるな」
さらにガラが悪くなった。
こいつは俺をイライラさせる。
自分じゃ何もできないくせに。