「ま、まさか!悪かった。冗談だ!俺の話を聞いてくれ!そうすれば怒りも収まるはずだ!」
「自主弁護の時間ぐらいは用意してやる」
「小春ちゃんと仲直りできるぞ!俺が仲を取り持った!なぁ?すごいだろ?嬉しいだろ?」
広也の発言に、一瞬呆けた。
こいつの新手の冗談か?
いや、こいつだって命は惜しいはずだ。
だが、あの俺への憎悪を広也が解いた?
「どういうことだ?」
俺がそう言うと、待ってました!
と言わんばかりに、被っていた布団を投げ出した。
そして、意気揚々と語り始めた。
「なぁ?誤解を解いた。俊が誰よりも小春ちゃんのことを心配していていたことをしっかりわかってもらえたぞ!お前のポイントが絶対上がったはずだ!後は、俊、お前の腕次第だ」
広也はふんぞり返って、自慢げだが、俺は面白くなかった。
結局、水野を動かしたのは広也ということだ。
しかも、俺たちの関係修復なんて余計なことまでして。
素直に喜ぶとでも思っているのか。
ただ。
ただ、感謝をしてないわけではない。
水野に嫌われたままなのはキツい。
だから、とりあえず命だけは助けてやることにする。