「何でだ!?小春ちゃんはもう望みなし。次の相手にハイレベル女子を用意してやってんだぞ!」
「誰がそんなこと頼んだ。人をネタに女を釣った、お前が恩着せがましい」
「いや、この合コンセッティングしたのは安住だ」
蹴り飛ばす相手が、もう一人増えたな。
俺と同じ学部のこの男たち三人は、互いに代筆をし合い、このメンバーで良く飲みに行ったりもする。
そいつらが、俺を騙すとは。
きっちり、後悔させてやらないと。
「あんた、ケチくさいこと言わずに、行ってやりなさいよ」
「朔の言う通りよ。広也君たちが一生懸命、企画したんだから」
三つ子は結託した。
「ほらな!友達は大切に、って先生に教えてもらっただろ?」
「友達を利用するな、って先生に教えてもらわなかったのか?」
広也は耳を塞ぎ、聞こえな~いと首を振った。
「あんたが淫らに女遊びしてると、こっちまで穢れる。なら、彼女作んなさい」
「そうよ。実家に強制送還される前に、明美先輩に殺されちゃうよ」
「何が嫌なんだ?お前にとっても悪い話じゃない。レベルは保証する!安住が!」
「嫌なもんは嫌だ」
「何だ。その駄々っ子みたいなセリフ!」
広也の言葉に、駄々っ子!と二人も呼応する。
無視だ。
こんなのにいちいち構っていられるか。