「しかし、さすがは俊だな!すげぇ~ゴージャス美女!あんなグラマーに一度は相手して欲しい」
「朝っぱらから、あんなところで抱き合うなんて、写真撮ってくださいって言ってるようなものよ。本当に馬鹿な男」
「浮気なら隠れてするのに、すごい堂々と。さすがは榊田君、度胸ある!あっ!でも、昨日のは情けなかったね」
さっきからこの調子だ。
俺は黙っていた。
無視だ。
忍耐なら、水野と過ごした経歴がある俺は自信がある。
「まぁ。あんたが小春を好きか嫌いかはどうあれ。あんたたちは終わったね」
上原の言葉に、閉じていた目を思わず開ける。
「何だ、その驚いた顔は。あんな写真見られて当たり前だろ?俊はあの美女と付き合ってると思ってるぞ。小春ちゃん」
広也は、やれやれと手を上げた。
「遊びでした、って言えば小春に軽蔑されるだけだし。あの子、潔癖だからね。ああいう場所に行った相手がイコール好きな相手になるのよ」
「でも小春ちゃんは、まったく気にしてなかったから、安心して榊田君!気にしていたのは、榊田君に非がないように別れたことにするにはどうすれば良いのかってこと。かなり悩んでいたわ」
広也と上原も、うんうんと腕を組んで瀬戸に同調する。
これは間違いなく、集団いじめだ。