朔とはこの日初めて言葉を交わしたけど、小学1年生にとって細かい事等どうでもいい。


「ふぇっ!?」


「ダメか?」


「ダ、ダメじゃないけど………」


「じゃあ朔もオレの事、彼方って呼べよ。朔はここで何してたんだよ」


ビックリする朔をよそにピアノのイスに腰掛けると、さっきまで朔が座っていた学校のイスの近くに、机が置いてある事に気がついた。


その机の上には赤色のスケッチブックがあって、さっき大きな本だと思ったのはこのスケッチブックだったんだと理解するオレ。


「ボ、ボクはピアノの絵を描いてたんだ……絵描くの好きだから」