あっけらかんと返すオレに、男の子はズルッと肩の力を落とす。


音楽室に足を踏み入れて近づくと、身長はオレよりちょっと低い位だった。


「なぁ、お前ってオレと同じ1年生?」


「あっ、うん……1年4組。郡司君は3組………だよね?」


「そっ。名前は何つーの?」


「阿久津 朔。皆からは朔とか朔君とか呼ばれてるよ」


距離をつめると、ますます整った顔をしている事がよく分かった。


オレだって幼稚園の頃から周りにキャーキャー言われてたけど、朔もカワイイって感じの美少年だったっけ。


「同い年なら、オレお前の事朔って呼ぶわ」