黙り込むアタシに
百合飛は話をしてくれる




「あっこが俺の中学校で


あっこらへんが俺の家」



そんな事言うけど


全然小さくて分かんない




「キレイな街だね」



そんなことしか言えないアタシに



百合飛は笑い返してくれる




「アズサもーすぐテストだから
勉強しろよ」



と、全然違う話題




いやまって、



綺麗な景色見ながら

どうやったら勉強の話になるのかなあ




しかも、目の前のヤンキーに言われても


説得力なさすぎて、返しに困る



「50番以内入ったらクレープ
奢ってやっから」




もので釣ろうとする百合飛

アタシは小学生かっ


「いや、クレープよりお好み焼きが
良いんだけど」



食べ物まで可愛らしくないけど



そんな事言うアタシを
受け入れてくれるのが鼎百合飛なのだ