高校時代の友達の葬式へきた。
ハンカチで顔を覆う遺族の方に頭を下げ、焼香をしに行く。手を合わせたとき、直人の顔が見えた。

『今日は何する?』
『ジャーン!新作買ったー!』
『あっいいなー!!それ、昨日出たやつじゃん!』
『一緒にしよう!』

小学生の頃、ろくに勉強せずゲームばかりしていた。
お坊さんに頭を下げ、席に戻る。
懐かしかったあの頃を思い出した。疎遠になる前の話だけど。もう遅いんだろうな、と心の中で悟った。

直人の葬式が終わった。火葬は家族だけで行うらしいから、俺は帰った。
服に線香のにおいが残っている。
明日から普通の生活に戻ると思うと、気が遠くなった。
もう今日は疲れた。
ゆっくりと目を閉じた。
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