あれから2、3日
話をすることも無く
進展といえば
ベットの上に書いてある
彼女の名前がわかったくらい。
(リオナ)
彼女は同室のお婆さんと
仲良くなったみたいで
お婆さんから飴をもらって
それが見つかって看護師さんに
毎回怒られてお婆さんが彼女を庇い
お爺さんがお婆さんを庇い
看護師さんは呆れて部屋を後にする。
その後、彼女もお婆さんもお爺さんも
顔を見合わせ笑ってる。
それが僕等の病室の風景に変わった。
僕だけその輪に入れない。
翌日、またお婆さんが彼女に飴を渡して
僕の方をチラッと見て
「僕も食べんかい?ホレっ」
お婆さんも僕も一人では動けないから
飴を僕の方に投げた。
なかなか飛ばず途中で落ちた。
「「「あ。」」」
彼女が拾ってくれた。
「この飴、とっても美味しいんだよ。
中に抹茶がはいってるの。」
微笑んでる彼女を僕は見惚れていた。