昔から私は口数の少ない方だった。理由は親と離れ離れで暮らしていたからと、極度の引っ込み思案だったからだ。そこで私に声をかけたのが疾風と心明だった。2人は静也に頼まれて声をかけたのだった。
(どうせひとからたのまれたんだろうな。むししとこ。)
その時は、私はまだ幼稚園の年少だった為、2人がどうして私に声をかけたのかわからなかった。
でも何回も疾風たちと遊んで私の極度の引っ込み思案は、治っていった。
年長に進級する時には、自分から積極的に初対面の子にも声をかけていた。
そんなある日――。疾風が余り元気では無かった。
「はやてくん。どうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。はやくあそぼう!」
私はその時の疾風の顔をよく覚えてる。
涙をこらえて、無理に笑顔を作った顔だった。
(ほんとうにどうしたんだろう?)
疾風からクローバーを貰ってすぐ疾風が転校して行ってしまった。
あれから二年の月日が経って私が小学校2年生になって学校から帰って、久々に机の引き出しを開けてみた。
(何が入ってるんだろう。)
ガラガラ
「えっ。」
それは、疾風から貰った四葉のクローバーが、押し花で保管してあった。
小学校6年生、最後の始業式。学校に行く前に……
ペリっ
押し花の周りのプラスチックを慎重に剥がして、クローバーを水で洗って優しくタオルで拭いてそれを学校に持ってきた。
(どうせひとからたのまれたんだろうな。むししとこ。)
その時は、私はまだ幼稚園の年少だった為、2人がどうして私に声をかけたのかわからなかった。
でも何回も疾風たちと遊んで私の極度の引っ込み思案は、治っていった。
年長に進級する時には、自分から積極的に初対面の子にも声をかけていた。
そんなある日――。疾風が余り元気では無かった。
「はやてくん。どうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。はやくあそぼう!」
私はその時の疾風の顔をよく覚えてる。
涙をこらえて、無理に笑顔を作った顔だった。
(ほんとうにどうしたんだろう?)
疾風からクローバーを貰ってすぐ疾風が転校して行ってしまった。
あれから二年の月日が経って私が小学校2年生になって学校から帰って、久々に机の引き出しを開けてみた。
(何が入ってるんだろう。)
ガラガラ
「えっ。」
それは、疾風から貰った四葉のクローバーが、押し花で保管してあった。
小学校6年生、最後の始業式。学校に行く前に……
ペリっ
押し花の周りのプラスチックを慎重に剥がして、クローバーを水で洗って優しくタオルで拭いてそれを学校に持ってきた。