噂なのにどんどん話をすすめるあたり、
もうかなり確信的な情報なんだろう。


「なんの先生かなぁ~かっこよかったら授業も頑張れるかもっ!」


ミルクティー色の髪をふわふわさせながら
はしゃぐ風花。


「まだ男の先生ってきまったわけじゃないし・・・」


風花に比べてこういうことに興味がわかないあたしは、
集会がめんどくさいという気持ちが勝る。


”お隣さん”といい
”新任の先生”といい、
今日は巡りあわせがおおいなぁとしみじみ思う。


とりあえず体育館に移動するあたしたち。

混雑する階段はいつもより飛び交う会話が明るく、
新任の先生という話題は
もう学校中に浸透しているみたい。

渡り廊下をぬけて、体育館に入る。



「え~ただいまから、新任の先生挨拶及び部活動の表彰式を行う。・・・礼。」


形式的な、面倒そうな教頭の進行にも
生徒は「分かってるから早くしろよ」といった雰囲気をもらす。


「えーー、では、挨拶をお願いします。数学を担当されます・・・


そのあと紡がれた名前と、
登場した先生に、あたしは自分の目を疑った。


「え・・・っ」