「可愛い代表の風花に言われても説得力ないから!」
「え~?そんなことないよ~??」


とか言いながら嬉しそうなのまる分かり。


まずあたしは「可愛い」と言われても嬉しいとは思わないし、
風花みたいに可愛くなる努力もしていない。


「あ~マロン先生、合コンとかにいたら確実に1番に食べられちゃうわね。」


話しが再び栗原先生にリターンする。


「た、たっ、食べ・・・!」


自分の動揺が思わず声にでる。
まったく、少しは刺激の少ない言葉を選びなさいってのよ。



「マロン先生の素顔がはやくも気になっちゃう!」
「とりあえず、そのあだ名やめなよっ」


いちお、注意しておく。

でも、栗原先生のことをかっこいいと思っているのは風花だけではないようで・・・


「あー!ウワサをすれば―――――!!」


げっ!


通り道を塞ぐほど混雑した廊下。

その中心で困ったようにして笑う”それ”は、
今朝あたしに独り言を聞かれてしまった時の表情と同じ。


あー、やっぱり、巡り合わせってそう簡単に何度も起こらないんだなって。
先生はやっぱり、”お隣さん”だったんだって。


いやでも実感しなくちゃいけなかった。