「バレたら俺はクビ、お前は退学。
 これだけのデメリットを背負って皆にヒミツの恋をする。
 バレるかバレないか。
 そのスリルがいいんだよ。」

 「ふ~ん。
 確かに面白そう。」

 「だろ!?」


 まぁ、あたしも先生と生徒の恋ってしてみたかったし…

 面白そうだし…

 この合宿の四日間だけでいいんだよね?


 「いいよ。
 やろうよ、そのゲーム。」

 「よし、じゃあ早速…」


 十夜があたしの顔の両頬に手をおく。

 

 何すんの?



 そう思った時、唇に柔らかいものがあたった。



 …は?



 「ごちそーさん。
 ほら、早く風呂入ってこい。」

 「ちょっと!!」


 あたしは十夜をおもいっきり睨み付けた。

 


 「畜生、十夜の奴…」


 あたしは広いお風呂を一人占めにしてブツブツ文句言っていた。

 十夜に文句を言ったけど、『いいじゃん、別に。』って悪びれた様子を見せなかった。


 まぁ、いくら仮でも恋人だからキスはOKにしたけど…



 まぁ、そっちの方がスリルあるし、いっか。



 って、思ってしまった。


 正直なとこ、ホントはこの恋、楽しそうだと思う。

 四日間だけだし、お互い好き合ってるわけじゃないからあっさりした関係だし。


 …それに、十夜も結構かっこいいし!

 
 前から教師の中で一番かっこいいって思ってたし?



 「楽しい合宿になりそう…」


 
 広いお風呂場に、あたしの声が響いた。