「じゃあ…ゲームは継続するの?」

 「ゲームは…もう終わったよ。」


 あたしは霞の言葉に落胆する。



 じゃあ、あたし達ホントに終わりなの?



 「ゲームは終了。
 だけど…」


 そこで、霞は言葉を切った。


 「…?」

 
 次の言葉を待っていると、霞があたしの両肩を持って引き離して、目を見た。

 強く見つめる霞の瞳に思わず引き込まれそうで…あたしも霞の目を見つめた。


 「だけど、もし耶奈が良かったら、ゲームじゃなくて本当の恋愛を俺として欲しい。」

 
 その言葉に、あたしの心臓は、バクバクいってて破裂しそうになった。

 鼻の奥がツーンとして、さっきまでとは違う涙があたしの目を濡らす。

 
 「あたし…本当の恋愛、霞としたい…!」


 なんとか自分の気持ちを伝えたくて、嗚咽を堪えて一生懸命に言う。

 霞があたしの唇にキスを落とす。

 
 あたしの胸が、大きく、速く、鳴った。

 胸の奥が熱くなって、苦しくなって、これが幸せなんだって、また泣きそうになった。



 こんな気持ちになるのは、霞にだけなんだよ?

 

 霞があたしの涙を舐めて、


 「泣き虫」


 意地悪な笑顔で言った。




            【完】