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 …あぁ
 足が痛い。

 ずっと走ってたからな。

 くそぉ、十夜の奴…



 心の中で十夜をボロクソに言いながら佳耶と自分の部屋に行く。

 部屋に入るとあたしはすぐに自分の鞄に飛び付いて入浴セットを取り出した。


 「佳耶、あたしお風呂入るけど、どうする?」

 「ん~…
 いいや、後で入る。」

 「分かった。
 じゃあ先入るね。」


 そう言ってあたしは早々に部屋を出ていった。

 汗がベットリしてて気持ち悪い。

 ロビーに行くと、置いてあるテレビの画面にドラマが流されてた。
 

 このドラマ、知ってる。

 先生と生徒が恋をする話だ。



 …いいな。

 あたしもこんな普通じゃない恋愛、してみたいな。



 あたしがテレビに見入っていると、隣から声がした。



 「何見てんだ?」


 反射的に声がした方を見ると、十夜だった。


 「なんだ、十夜か…」

 「なんだって何だよ!
 って、先生だろうが!!
 十夜先生!!」

 「はいはい。
 ドラマ見てたんだよ、先生。」

 「あ?
 ドラマ?」


 十夜がテレビを覗き込む。


 「あ~…
 これね。
 教師と生徒の恋ってやつ?」

 「そう。
 まぁ、実際教師と生徒の恋なんてホントにあったりしないよね。」

 「さぁな。」

 「さぁなって…」

 「だって俺した事ねぇから分かんねぇもん。」



 もんって…