「ホントだって。
 自分の生徒襲うほど飢えてねえし。」



 …今の台詞、問題ありだよね!?



 「そ、それって彼女が居るってこと!?」

 
 勢いに任せてあたしは涙目で叫んでた。


 「いねぇって。
 いたらこんなゲームしねぇし。」

 
 笑って言う霞にあたしはホッと息を吐く。


 「ほら、さっさベッド入っとけ。」

 「え?
 ほんとに一緒に寝るの?」

 
 ホッとしたのも束の間、あたしは霞にベッドまで押されて行った。

 
 「そう言っただろ。
 もう寝る準備出来てるだろ?」

 「で、出来てるけど…って、まだ10時だよ!?」

 「まだ?」

 「そ、それに霞お風呂入った?」

 「おお、入った入った。」

 「じゃあ何で香水の匂いすんのよ!!」

 「シャツに付いちゃったんだよ。
 お前来る前ちょっとこぼしてな。」

 「…ドジ。」

 「…襲うぞ?」

 「ごめんなさい!!」


 笑って言う霞にあたしは首をすくめた。

 
 「ほら、早く寝ろ。」
 
 「ひゃあ!!」


 霞があたしを抱っこして無理やりベッドに寝かせる。

 
 
 重くないかな!?

 こんなことならダイエットしてれば良かった!



 「明日早く起きて自分の部屋に戻れよ。」

 「え~!」

 「そんなに俺の部屋に居たいの?」

 「んなわけないじゃん!!」

 
 『あはは』と笑いながら霞もベッドに入って来た。


 「え!!
 ほんとに!?ほんとにあたしここで寝るの!?」
 
 「だからそうだって。
 俺明日早いからさっさと寝ろよ。」

 
 そう言って電気を消す。

 暗くて顔が見えないせいかちょっと心臓が大人しくなったかな…と思った時!

 
 「ふえ!?」


 霞の腕があたしの背中を抱いて引っ張った。

 再び迫る広い胸と香水の匂いに心臓がバクバクいう。



 絶対眠れないよぉ!!



 そう思ってたのに、あたしは霞の暖かくて広い胸で、心地の良い香りに包まれながら、深い眠りについてた。