「そういえば、十夜なんだったの?」

 「あぁ、えっとね、なんか最近タイムが伸びないって言われて…悩み事とかあるのか?みたいな…」



 苦し紛れのウソだけど…

 ばれないよね。



 「ふ~ん。
 最近伸びてないの?」

 「うん、ちょっとね。
 スランプ状態っていうやつ?」

 「そっかぁ…
 悩みとかあったら何でも相談にのるからね?」

 「うん、ありがと。」

 笑って言ったけど、何でか佳耶の目が見れなかった。
 
 

 こういうの罪悪感っていうのかな…?

 もしあたしが霞に気持ちを伝えて霞がこたえてくれたら、これからも佳耶にウソつかなきゃいけないんだ。

 
 まぁ、霞がこたえてくれるわけないけど…



 佳耶があたしを待っててまだ走ってないって言うから一緒に走って座ってた場所に戻ってくると、もう霞が戻ってきてた。

 目が合って、霞が微笑む。


 ドキッ…!!


 思いっきり顔を背けてしまった!

 ど、どーしよ~!!

 なんか変に意識しちゃって顔が見れないよ!

 

 ずっと下を向いて歩いてると、霞に呼ばれた。

 
 「郷原。」

 「は、はい!!」


 う、裏返っちゃった!

 恥ずかしいよぉ!!


 「ちょっと来い。」


 クスクス笑いながらいう霞。

 
 「またぁ!?」


 とか言いながら話し掛けられて嬉しいと同時に、緊張で心臓が破裂しそうなあたし。