心臓うるさい!!

 周りの空気が熱い!!

 あたし今絶対顔赤いよ!!



 なんとなく恥ずかしくて霞の顔が見れない。

 だからずっと口を見てるあたし。


 霞が何も言わないからもう一度、『何?』と聞いた。

 すると霞が両手をあたしの両肩に置いた。

 霞をずっと見てると今度は右手であたしの髪を触る。


 「…霞?」


 あたしが名前を呼ぶと、霞はニッコリ笑って言った。


 「したくなった。」

 「は?」


 急に頭を引っ張られて、反射的に目を閉じた。

 目を開けて目の前にある霞の顔を認めた時、唇に柔らかいものがあたっていた。


 「…ン…フ…ンン…」


 すぐに酸素がなくなって、霞の背中を叩く。

 それでもビクともしなくて、霞が唇を離したのは頭が朦朧としてきた時だった。

 唇が離れた瞬間、あたしは酸素を思いっきり吸って激しく息をついた。


 「もう!
 苦しいよ!」


 ある程度息が整うと、あたしはすぐに文句を言った。


 「それにもうするなって言ったじゃん!!」

 「キスマークをつけるなとは聞いたけど、キスはするなとは聞いてねぇよ。」


 すぐに霞が反論する。


 そりゃ、キスはするな、とは言ってないけど…


 「じゃあ、もうキスもしないで!!」

 「いやなの?」

 「は?」

 「キスされるの、いやなの?」

 「………」


 あたしは霞の言葉に黙ってしまった。