「で?」

 「え?」

 「バレたからには当然誤魔化したんだろ?
 何て言って誤魔化したんだよ。」

 「……ダニにやられたって…」

 「はぁ!?」


 と言って、爆笑し始めた霞。


 「お前、嘘下手なのな!!
 ダニかよ!」


 と言ってまた笑い出す。


 ムカつくのはあたしだけですか?


 「…あのさ。」


 やっと落ち着いてきた霞にあたしは言った。


 「ツボが分かんないんだけど。」

 「いいんだよ、分かんなくて。」


 言いながら、霞はあたしの頭を叩いて笑った。



 ドキッ!!



 心臓がドキドキいってるのが、自分でも分かった。


 チクショー…
 顔は良んだよなぁ、顔は。


 霞の笑顔にときめいてしまう自分が憎たらしい。

 あたしは真っ赤になったであろう顔を背けながら言った。


 「と、とにかく!
 もうこんなとこにつけないでよね!!」

 「え~!」


 残念そうな顔で不満を洩らす霞。



 …やばい。
 どんどん霞にはまってる気がする。


 ちょっとぉ!
 相手は教師だよ!?
 しかもスリル目的であたしに近付いて来た奴だよ!?

 ありえないって!!



 「じゃ、あたしもう戻るから。」


 そう言って佳耶のところに戻ろうとした時、霞に腕を掴まれた。


 「な、何!?」


 ビックリして振り返る。

 霞に掴まれてる腕が熱い。

 その熱が伝染するように体中が熱くなる。

 耳障りな程の心臓の音があたしの耳に届く。