やっとのことで十夜に追い付くと、あたしは十夜の腕を引っ張った。


 「ちょっと、何で首筋につけんのよ。」


 思いっきり睨み付けるあたしに十夜は笑いながら言った。


 「その様子じゃ、もうバレたんだな。」



 ええ、バレましたとも。

 あんたがあんなとこにつけるから佳耶にバレちゃいましたよ!!



 「十夜があんなとこに「霞。」



 …は?



 「恋人なんだから、2人きりの時は霞って呼べよ。」


 満面の笑みで、十夜が言った。


  「こ、恋人って言っても仮のでしょ!!」

 「仮でも何でもお前は俺の恋人なんだから、2人きりの時はちゃんと霞って呼べよ。」

 「じゃあ、霞、もうあんな事しないでね!?」

 「あんな事って?」



 分かれよ!!



 「き、昨日のこれ!!」


 そう言って、首にかかってた髪をどけた。


 「あぁ、それな。」


 十夜…いや、霞が思い出したように頷いた。


 「いいじゃねぇか。
 さっき助けてやったんだから。」



 え?

 もしかして、この呼び出しって助けてくれてたの?



 「そ、それは、どうも…って、元々の原因は霞でしょ!!」



 うっかりお礼言うとこだったよ!!



 「まぁ、そうなんだけどな。」



 って、ヘラヘラ笑うなぁ!!