十夜につけられた胸元の赤い痕=キスマーク



 なわけで、十夜はこれをつけた後、『こっちの方がスリルあるだろ?』とか笑いながら言ってた。



 全然笑えないんですけど!!



 突然、廊下から声がして急いでティーシャツを着る。

 ちょうど着たところでドアが開いて佳耶が顔を覗かせた。


 「や~な♪」

 「どうしたの?
 佳耶。」

 「えへへ。
 あのね~…」


と、佳耶が笑いながら部屋に入って来た。



 えらく機嫌がいいですね。




 「あのね、とうとう手に入れたの!!」

 「ウソ!
 マジで!?」

 「マジで!!」


 キャー!!


 と、佳耶の言葉に2人で興奮する。


 「とうとうか~
 やったじゃん!!」

 「うんっ!!」

 「先輩、今年でもう引退だからね。
 目一杯アピールしなきゃ。」

 「うん、頑張る!!
 ガンガンメール送りまくってやる!!」

 「引かれない程度にね?」

 「…はい。」

 
 佳耶がちょっと首をすぼめた。


 「…それにしても、ウソみたい。」


 そう言いながら佳耶がベッドに倒れた。


 「大嵜先輩にアド教えてもらえたなんて…!!」

 「うん、良かったね。」


 言いながら、あたしは佳耶のベッドに座って佳耶の頭を撫でた。


 「うん…早く両思いになりたいな。」

 「え~
 なれるよぉ。佳耶かわいんだし。」

 「え~
 全然可愛くないよぉ!」


 そう言って照れる佳耶がホントに可愛い。