「美鈴、隼也の胸に顔当てて。
こっち向いて。目つぶって微笑んで。
隼也も微笑む程度で。」
いつの間にか長曽我部さんが仕切っていた。
「うん、いい。
じゃあ次な。」
「え、まだ撮るの?」
「使い道はあるしな。
二人とも座って。隼也が後ろから抱きしめて
二人とも微笑んで。目つぶって。」
はいはい………。
「次はおでこを合わせて。頭突きみたいな。
二人とも笑って。目線はまっすぐな。」
私たちは長曽我部さんの言われるがまま
次々にポーズを変えた。
「うん、いい。」
「終わり?」
「終わり。お前ら学校行け。
あとはこっちでやるし。」
「はいはい。
お疲れさまでした~。」
私たちは着替えをし、永田さんの車に乗った。