「ま、美鈴ちゃんは俺がこれからもっと

厳しく叩きこんでくよ。」


「………瞬は本当に容赦なく厳しいよね。」


「甘かったら上達しないだろ。」


「はーい…。」


~♪~♪~♪


そんなとき、私のスマホが鳴った。

なんか電話来たの久しぶりな気がする。


"着信 高橋瑠樹"


高橋か。


「ちょっとごめんね。」


席をたとうかとも思ったけど

立ったところで個室のここから出るわけにもいかないし

私はその場で電話に出た。


「もしもし?」


『よ、ひさしぶり。』


「うん。そうだね。

で、なんか用?」


『相変わらず冷めてんな。

まぁいいけど。

美鈴さー、夏音とどうなの?』


「あー、別に…」


『仲悪い?』


「よくわかんない。

でも連絡もないし、あれっきり。」


『あんまへこんでないんだな。』


「んー、そうだね。

あの時はさすがにへこんだけど

今はもう立ち直した。

忙しくてそれどころでもないしね。」


『あー、ツアー回るんだっけ?

颯太が大興奮。』


「はは、そっかそっか。

ってか用件それだけ?」


『あ、いや。

夏音転校したんだよ。

っていうお知らせ。』


「え、転校?なんで?どこに?」


『俺も詳しくはわかんないけど。

仲良くねーし。』


「へぇー…」


『ま、そんだけ。

悪いな、忙しいときに。』


「仕方ないから許してあげよう。」


『は?なんだそれ。』


「はは、ごめんごめん。

ってか高橋会いたい。

たまには息抜きしたい。」


『なら暇なとき連絡してこいよ。』


「うん、また連絡するわ。」


『じゃーな。』