「でも確かに歌手って少ないよね。」


「もともと役者の方が多いしな。

アイドルばっかじゃつまんねーし

俺がアイドルの良さがよくわかんねーし。

まぁでも今年、1つデビューするけどな。

アイドルグループが。

デビュー待ちしてたやつら集めて

大人数グループで。流行りにのって。」


「あ、流行に乗るタイプなんだ。」


「美鈴とは真逆だけど

まぁアイドルだし。

俺の仕事じゃないからよく知らないけどな。」


「へー、長曽我部さんでも

そういうことあるんだね。」


「今は美鈴のチーフマネだからな。

社長が許可したんだと。

新しい可能性ってとこだな。」


「ふーん。いつデビュー?」


「夏。

とにかく見た目はいいな。

歌はまぁ普通。

いかにもアイドルって感じ。

美鈴は女向けにプロデュースしてるけど

そいつらは完全に男向け。」


「へー。

レッスン場とかで会ってたりするのかな。」


「まぁどっかで誰かとは

すれ違ったりはしてるかもな。

人数多いし。」


「一応先輩なんだよね?」


「そうだな。」


「可愛いなら見るの楽しみ。」