「こいつ、紹介するな。関西からの転入生の結城宏樹。」



高二の春。
俺達が二年に進級すると同時に同じ劇団仲間の宏樹が、俺達の学校に転入してきた。



結城を初めて見た時は、
『綺麗な奴』
そう、感じた。



男だって、思えなくて。





性格は見た目と違って、かなり面白いし、気取ってない。


それに、変に気が合ったから行動を一緒にしてた。


仕事も何故か一緒になる事が多くて。
親友…、そうなるのにそんなに時間はかからなかった。





初めてできた親友だから、智莉にも教えたくて。





だから、智莉に紹介した。





もちろん、智莉も驚いてた。





「……男の子だよね?」



智莉の第一声。




「勿論?」

笑顔で答え返す宏樹。
問い掛けてるのが逆に気になるが。




「だよね、ごめんなさい。あまりにも美人だったから…。私、川木智莉です。」
「裕也からよく名前聞いてたからね、どんな子やろ?って思ってた」

「えっ?」

宏樹…、余計な事を…。

「可愛ええやん。ちっこいし。」


そう言って、智莉の頭を撫でる宏樹。