「あ、智莉どこ行ってたの?」
「うん、屋上。優佳と話してきた」
「やっぱ、無理っぽい?」
「うん、でもたまには顔出すって」
「そっか」

教室に戻った私に、由宇が声をかける。




私は、由宇と話しながら席についた。


「ねぇ、知ってた?」
「何を?」
「しろたんってさぁ、裕也君達と同じ劇団に所属してるらしいよ?」
「…………は?」



私の席の前に、立つ由宇を見上げる。

「亜希から、聞いたの。驚きだよね?………で、しろたんもうすぐ先生辞めるらしいよ」
「何で?」
「人気が出てきたらしくてさ、学校に来る時間がないらしいの。」
「……ふーん」


初耳だった。
辞めるという事も。俳優をやっているという事も。


「今、やってるドラマで学園モノに生徒役で出てるって!…先生が生徒ってありえないよね〜」
「………だねぇ?」



あはは。と笑う由宇につられて笑う私。




だから、しろたん演劇部の顧問してたのか。