「あの信越、長野県人がみんな『信濃の国』歌えるってホントなんですか?」
と、休憩時間に長野が信越に尋ねたのは何時の日か。
「はい、私も歌えますよ?」
「そうなんですか!それって群馬県人が皆上毛かるたをできるのといっしょですね!」
「そうですね、ステータスなんでしょう。ちなみに私、上毛かるたも覚えてますよ?」
「え?信越すごいですね…」
「じゃあ『信濃の国』と上毛かるた、上官にお教えしましょうか。」
「ホントですか!嬉しいです!」
そんな無邪気な笑顔は記憶の彼方。

長野駅にて

これもまた何時だかの休憩時間、北陸がいきなり信越に話を持ち掛けた。
「信越!上毛かるた覚えてますか?あと、『信濃の国』!」
「へ?何でまたいきなり…」
「信越が教えてくれたんですよ!僕がまだ長野の頃に。覚えていませんか?」
「そうでしたっけ…まあ、いいや。上官、今から一緒にやりましょうか。」
と言い、『信濃の国』の鼻歌を歌いながら何故か信越は長野駅の戸棚から上毛かるたを取り出す。
必死に興奮する感情を抑えながら、覚えていない訳ないじゃないか!と思った事実は心の中に大切にしまっておく事にする。