最近信越に乗ってないな。
そのことにはっと気づいた北陸は、思い立ったが吉日とひさしぶりに乗ることにした。
終業後、高崎まで戻って滑り込んできた車両に乗り込む、信越に貰ったマフラーを巻いて。
乗り込む車両は、今自分が、そして何よりも信越が何時でも巻いているマフラーの色と同じ色合いの車両。
自分たちのと違って、手動で開ける扉、昔信越と一緒に乗った時のことを思い出す。
「可愛らしいとこも、あるんだな」と、クスッと笑いながらボックスシートに座る。
「ご利用の電車は○時発、信越線普通列車横川行きです―」
そう放送があったと思えばすぐ列車は発車した。
北高崎、群馬八幡、安中、磯部、松井田、西松井田、横川。
何時も自分が見ている目線とは違う目線の景色。
薄暗い中を関東山脈の山々を背に列車は走る。
「まもなく、終点横川です。今日もJR東日本信越線をご利用くださいまして…」
横川に着いて辺りを見回し、向かいのホームでこちらに背を向けている見慣れたマフラー姿を見つける。
「信越ー!」
そう呼びかけると信越は驚いたように背中のマフラーをビクッと揺らすと振り返った。
「信越、何してるんです?」
「上官こそ、何でまたわざわざこんな所まで…」
「何しようが僕の勝手です、もう終業後ですし。」
「いや、そういうこと言ってんじゃなくて…」
ちょっと意地悪をしたら信越はすぐ黙ってしまった。
「…上官、上官は今から暇ですか?」
「はい」
「じゃあ、暗いけど今から軽井沢まで歩きません?道順なら、完璧ですし」軽井沢まで行ったらそこから上官で帰ればいいんですよ。
信越は北陸から目をそらし、慌てたように言葉を並べ立てた。
「……はい!ぜひ。」
同じ色合いのマフラーをした僕らは暗闇の奥に向かって歩いていく。
そのことにはっと気づいた北陸は、思い立ったが吉日とひさしぶりに乗ることにした。
終業後、高崎まで戻って滑り込んできた車両に乗り込む、信越に貰ったマフラーを巻いて。
乗り込む車両は、今自分が、そして何よりも信越が何時でも巻いているマフラーの色と同じ色合いの車両。
自分たちのと違って、手動で開ける扉、昔信越と一緒に乗った時のことを思い出す。
「可愛らしいとこも、あるんだな」と、クスッと笑いながらボックスシートに座る。
「ご利用の電車は○時発、信越線普通列車横川行きです―」
そう放送があったと思えばすぐ列車は発車した。
北高崎、群馬八幡、安中、磯部、松井田、西松井田、横川。
何時も自分が見ている目線とは違う目線の景色。
薄暗い中を関東山脈の山々を背に列車は走る。
「まもなく、終点横川です。今日もJR東日本信越線をご利用くださいまして…」
横川に着いて辺りを見回し、向かいのホームでこちらに背を向けている見慣れたマフラー姿を見つける。
「信越ー!」
そう呼びかけると信越は驚いたように背中のマフラーをビクッと揺らすと振り返った。
「信越、何してるんです?」
「上官こそ、何でまたわざわざこんな所まで…」
「何しようが僕の勝手です、もう終業後ですし。」
「いや、そういうこと言ってんじゃなくて…」
ちょっと意地悪をしたら信越はすぐ黙ってしまった。
「…上官、上官は今から暇ですか?」
「はい」
「じゃあ、暗いけど今から軽井沢まで歩きません?道順なら、完璧ですし」軽井沢まで行ったらそこから上官で帰ればいいんですよ。
信越は北陸から目をそらし、慌てたように言葉を並べ立てた。
「……はい!ぜひ。」
同じ色合いのマフラーをした僕らは暗闇の奥に向かって歩いていく。