信越は長岡駅にいた上越を連れて居酒屋にきていた。
なにをしているのか上越は携帯を片手に何かを打っている。
「あ、信越、他のメンバーも呼んどいたから」
パチンと携帯を閉じて言ったのは上越。
「お!気が利くねぇ!」
「時間かかるだろうけどさ。」
「まあ良いじゃん。上官使えばすぐだよ」
「じゃ入ろうぜ。」
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

―少し信越が元気じゃないように見えるのは気のせいだろうか。

***

「おー!これじゃまるで宴会じゃねぇか!」
「いや、これ元から宴会だろ?」
「酒が新潟産じゃない!これじゃ酔えない!」
「お前のそれを酔ってない以外のなんて言うんだ。」
白新の言葉に羽越が突っ込んでいる。
羽越もほろ酔い加減だ。
越後は最初の一杯で早々に落ちてしまっている。
さっきから上越もかなりのペースで呑んでいた。
「おい!全員落ちねぇうちに上越の部屋な!」
全員にいい具合に酔いが回ってきた頃に信越が皆に呼び掛けた。
「は?なんで俺ん家なんだよ…」
「お前んちならつまみがあるだろ、あと酒も!」
上越は嫌そうな声をだしているが満更でもなさそうだ。
「あ、会計は割り勘な!」
そんな声を合図に新潟組は席を立ちはじめた。