後悔しても遅い。

 今更、後悔しても遅いのは重々承知している。

 でも、後悔せずには、自分を責められずにはいられない。

 今日だって、恭平に注意されたばかりなのに――。

 今日だけじゃない、吸うたび、吸うたびに注意してくれてた。

 それなのに私は吸い続けていた。

 自分で自分が恐ろしく感じる。

 どうしたらいいのかも分からず、私はただ自然と溢れ出る涙を拭うことしか出来なかった。

「どうやら覚えていたようですね……」

 私の反応を見て、囁くように言った。

 私はただただ「ごめんなさい……」としか言えなかった。

「私に謝っても仕方のないことです。辛いとは思いますが、出産予定日まであと一ヶ月あります」

 私の顔色を伺いながら、ここで一息つき、微笑みながら続けて言う。

「もう吸わなければ、この一ヶ月ですくすくと育ってくれるはずですよ」

 お医者さんは優しく微笑んでくれている。

 お医者さんは私を励ましてくれている。

 私が希望を捨てて、何かが良くなることなんて決してない。

 私が赤ちゃんが元気に生まれてくることを信じなきゃ、誰が信じるの?