「佐々木さーん、相手はあの美人ですよ?菅野ちゃんが幾ら大らかでもやっぱり平気じゃ済まないでしょう」


分析力だけはピカイチのクマさんの言葉に、佐々木さんもそっか〜と納得。
とにかくゴマ擦っときなよ…と慰められて帰ればあの始末だし……。



聞いたこともない名前を口にした菅野に、腹立たしさよりも欲情してしまった。


(アホか俺……あんな飲んだくれて意識のねーヤツを抱こうとするなんて………)


ついムラムラ…と欲が湧き上がってしまった。
菅野と付き合い始めてからの数ヶ月、結構耐え忍んでるからなぁ……。



「まじヤバイって今。……顔見たら何するか分からねーもん」


抑えつけてる欲望が全開されたら菅野のことなんか考えられそうにない。

めちゃくちゃに抱いて、返って菅野を怖がらせる。


「そしたらメロメロじゃなくてビクビクだ……」


俺の勝手な都合で悪い…と言えればいいけど、そんな理由じゃ納得いかねーだろ。


「だから、ちょっと冷却期間くれよな。頭冷やしたら迎えに行くから」


LINEの文字に菅野がどれだけ心を痛めてるかなんて、実際の俺は何も考えずにいた。

その不安さにも気づかず、俺達はまた別々の生活を始めたんだ。