「お前、風呂にでも入ってこいよ。そんなんじゃまともに仕事もできねーだろ」


酒を抜け…と忠告されてしょげる。
羽田の言う通り、これじゃあ確かに仕事にならん。


「……じゃ、入ってくるね……」



昨日に引き続き今日も朝風呂。
気持ちはいいけど、公共料金を思うと複雑。


「風邪引かねーよう、ちゃんと髪乾かせよ!俺はメシ食ったら出かけるから!」


背中を向けたまま言われる。
こっちを見ようともしない羽田の態度に、ちくっ…と胸が痛む。


(…仕方ない。私が悪いんだもん……)


そう思いながらも切ない。

元カノかもしれない人のことも聞けないまま、今日も1日が始まるのか……。





「あれ……?」


何これ?

首筋に赤い斑点のようなものがある……。


「虫刺され?それともどっかにぶつけた?」


指で擦っても取れない。


「何だろ…?」



未経験って言うのは恐いよね。

私はそれが何かを知りもしないで、そのまま仕事へ行ったんだーーーー。