「美結………」


熱い息を耳元に吹きかけた。

菅野の体がそれを感じ、微かに身をよじらせる。

その行動が拍車をかける。

思いを抑えきれずに俺は、菅野の唇を塞いだ。




「美結……」


差し込んだ舌を抜き出し名前を呼ぶ。

アルコールの匂いで満たされた口腔内の唾液が、より一層我慢を破壊する。



「美結…………美結………っ」



顎や首筋に唇を這わせても、全く目覚めようとしないヤツ。

返って気持ちの良さそうな顔つきになって、あどけなさが増してくる。

舌を這わせてるのは俺じゃなくて、ペソくらいだと思ってるんだろう。



「あーーもうっ!どんだけガキだよ!こいつはっ!!」



一気に萎えてくるじゃんか。

全くもってやってらんねーよ、実際。



呆れ返って立ち竦む。

そのままの体勢で暫く反省。





……パサッと布団を掛けてやった。

何とか自分を取り戻してその側を離れる。

首筋に残った痕を見つけ、「明日の朝、勝手に反省しやがれ!」と呟いた。