佐藤ちゃんは最近結婚が決まった。
同棲して2年経つ彼氏からプロポーズされたんだ。


「大丈夫。ありがとう、心配してくれて」


佐藤ちゃんは「なんのなんの、お互い様よ!」と手を振って持ち場へ行った。

幸せそうなその左手の薬指には、ボーナス1.5ヶ月分だという天然石の指輪を付けてる。
同棲してる彼は彼女よりも年下で、でも信頼のおけるパートナーだと話してた。


「私よりもシッカリしてるし、将来のこともずっと先まで考えて行動するタイプなの。だから、時々『え〜〜⁉︎』と思うこともあるけど、後になって考えたら成る程…と納得できることも多くて感心する。何より私のことをその場しのぎにしないところが好き!付き合いだした頃からずっと私を一番に想ってくれるところを尊敬してる。だから彼がプロポーズしてくれた時、『待ってました!』と言って抱きついちゃった!」


幸せそうな佐藤ちゃんの瞳はキラキラと輝いてて綺麗だ。
目ヂカラがあってオーラがある……。



(昨日の人に似てるな……)


ハッピーな人は皆あーなのかな。


…だったら私は?
羽田と同棲生活を始めたばっかの私はどう?


オーラある⁉︎
目ヂカラある⁉︎






「無いわ……どう見ても………」


休憩時間にトイレの鏡に映った自分の顔を見てボソリ。
どう見ても生活に疲れた主婦みたいな顔してる。

メイクが乗らなかったせいで、妙に顔が青白い。