羽田の部屋に住むからって、毎日こればっか着けれない。

ノンワイヤーのブラの方が楽な時だってあるし、そもそも私、家に居る時はノーブラ派だった。


「さすがにこれからはそうもいかないけどね」


呟く私をペソの目がじぃっと見てる。

相手もしないで荷造りをしてる雰囲気を察して、何が起こってるの?といった感じ。


もしも私がこの部屋に戻ってこなくなったら、ペソは一体どこで寝るんだろう……。



「連れて行きたいな。でも、動物禁止のマンションじゃメーワクだろうし………」


ごめんね、ペソ。

毎晩私の相手をしてくれてたのに、私はペソに何も返せない。

ペソが居てくれたから、ずっと寂しくなかった。

それなのに、何も恩返しできないなんて……。



「ごめんね、ペソ。恨むなら羽田を恨んで……」


恋に負けた飼い主を許して。
その代わり、うんと羽田に甘えてくるから。

今夜からは私が羽田の癒し係になる。
ペソになったつもりで、とことん羽田に甘える。

泣かさないって言ってくれた。
寂しい思いもさせないって言った。


「私……その言葉を信じたい………」


「キュゥゥゥゥン……」


甘えるペソをトコトン可愛がって家を出た。


4つ分の手荷物を持って、私と羽田の同棲生活は幕を開けたんだ。