普段は見せないような優しい顔つきで、蕩けるような言葉を吐く。

きゅん…と胸が切なくなって断れなくなる。
キスも何もかも、好きにして…って感じがする。


「でも、肝心なとこで素が出るんだよねぇ…」


本来の悪戯っ子みたいなところ。
人のことガキガキ言うくせに、からかい方がてんで子供なところ。

笑い上戸で、言葉が悪くて、一言余計で。


「…ふんっ!何よっ!私だってイチゴ柄以外のパンツ持ってるんだから!」


一応、勝負下着っぽい物だって持ってるんだから。
本屋に勤め始めて同年代の女子と話すうちに、あった方がいいんだ…と気づかされた。


「男って、意外と女子の下着観察してるんだよねー。ブラのホックは前がいいとか、外しやすいから一つじゃないとダメ…とか。こっちは着け心地とか胸の形とか気にして買うのに、見た目とかどうでもいいって感じなんだもん」


そんなもんなのかーと感心した。
25年間彼氏もいなかった私と違って、フツーの女子はそんな会話を平気でするんだって実感した。


そんなワケで仲良くなった同僚の子と生まれて初めて下着専門店に行って買った勝負下着。

どぎついのも変だし、かと言って白というのも今更だし。

オススメですよーと言われたのは履いたこともないTバックで、そんなの無理ですって断って、結局、定番のピンク系に決まった。


「でも、これって、いつ着ければいいの……?」