耳を疑うような言葉に振り向くと、菅野美結は恥ずかしそうに毛布で顔を隠した。


「なんだか……それもいいかな……って気がして………」


熱っぽい顔してやがる。
絶対にうわ言みてーな感覚でいるんだろうなと思いつつも二つ返事で請け負った。


「いいよ!賛成っ!」


これで次に進んでも怒らねーよなぁ…という気がしてくる。

菅野は恥ずかし気に毛布に包まり、「宜しくね…」と呟いた。



ドキン…!と心臓が大きく弾んだ。

菅野と付き合いだして初めてじゃねーか…と思うくらい、胸が高鳴ってる。


(あー!抱きしめてー!って言うか、それくらいしてもオッケーだよなぁ…⁉︎ )



「美結ーー!」


「ぎゃーーっ!!」


ーーつーか、やっぱそれなのかよ……。




「お前な、今一緒に暮らす?って聞いたばっかだろーが!」

「そ、それは、それもいいかな…って思ったからで……その、そっちとは…また別問題……!」


近寄らないで風邪がぶり返すから……と、両手を広げて押し返される。
熱があってぼぅっとしてる割に、なんでこんな力が強いんだ。


「ホンットにつまんねーヤツだな!ほら布団敷けたし、ベッドへ戻れ!」


前を開けられのそのそ…と動きだした。
体を包んでる毛布に足を取られそうになり、軽く前につんのめった。


「あぶねーなぁ…」


側で見てるのをやめて近づいた。