その度に羽田のことが好きになってく気がして、自分を変だと思ったり私だけがそうなのかな…と思ってしまったり。

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、前置きもなしにプロポーズなんかしてくるしーーー。



「……あれ、本気じゃないよね……」


自分が病気で気弱だから寂しくなっただけだよね。
誰かが側に居てくれたら、確かに心強いもん。


(子供の頃、風邪引いた時と同じよね……)


お母さんでもおばあちゃんでも居てくれるだけで有難かった。
枕元に薬以外のものが置いてあると、それだけで何だかホッとさせられた。


(じゃあ夜中に目が覚めたら、何か飲めるようにしといてやる…?)



ごそりと起きだして冷蔵庫へ直行。
暗闇の中に照らし出された庫内には、お酒のツマミ以外にはお茶くらいしか入ってない。


(しまったぁ……私って本当に気が利かないや……)


今更ながらに呆れる。
彼氏ん家に泊まることばっか考えてたから、病人の気持ちになるの忘れてた。


(……かと言って、今更買いにも行けないし……)


ふぅ…とため息。
取りあえず…とお茶を取り出し、グラスに注いでからベッド横のローテーブルに置いた。


『喉が渇いてたら飲んで  ね』


書き捨てるのも何だか素っ気ない気がして『ね』の文字を書き加えた。

変なメモに呆れながら、コロン…とホットカーペットの上に転がる。