(あの時は錠剤が喉に引っ付いたら大変だと思って、無理矢理水を飲ませたけど……)


かぁ〜と顔が熱くなってきた。
自分からしたことだとは言え、よくもまぁあんな大胆なことをしたもんだ。


自分の口に水を含んで、直接羽田の口内に送り込んだ。
私の唾液が入り混じった生温い水を、羽田は無意識のうちに何度か奥へ飲み込んだ。


(私がそんなことしたなんて知らずに寝てるんだもん。……さっきも今も、やるせなさ過ぎ……)



「バカ……」



自分ばっかその気にさせられるなんて最低。
バカみたいに心配してやりきれないったらない。


「起きろ、洋平!でないと名前なんか呼ばないよ……!」


鼻を摘もうとして止めた。

詰まりかけてる鼻息の音を聞きながら、やれやれ…とベッドの枕元に顔を押し付けた。