オープンカフェには爽やかな春風が吹いてた。
間もなくゴールデンウィークも近い午後の日差しは思ってた以上に強い。

そんな日差しの中で見るリカさんは、やっぱり人一倍輝いてて美しい。



「この間一緒にいた人……」


ビクッ!


「は、羽田のこと…ですか⁉︎ 」


ドキン…ドキン……


いきなり、それ……?


「うん…。彼氏なんだってね」


「は…はい……」


カップを持つ手が震える。
リカさんはそんなことを聞いて、どうするつもりなんだろ……。


「彼と……一緒にいて楽しい?」


「えっ…?」


驚いて顔を上げた。
目の前の美人はふっ…と笑って、その質問の理由を話した。


「私と付き合ってた頃の彼は、いつもツンケンしてばかりだったから…」


やっぱり元カノなんだ…とショックを受ける。

でも、今気になるのはそんなことじゃない……。



「ツンケン…?羽田が…?」


「私なんて居なくてもいいって感じの態度ばかり見せられた。だから、私は必死で彼にじゃれついて甘えて……まるで犬みたいだった……」


「え………犬……?」


この美人がぁぁぁぁ?


あんぐりと口を開けて黙る私を見てリカさんがクスクス笑う。

そんな顔されても仕方ないわね…と言いつつも、何処か悔しそうな表情を浮かべた。


「私のこと…洋平君から聞いてるんでしょ?派遣先で自分よりもいい男捕まえて結婚した…って」


「あ……」


言葉に詰まる。
羽田の言い方とソックリだ。