「どうもすみません……助かります……」

「なんのなんの!こっちも渡りに舟だったから、いいタイミングだったよ。妻はこの前から犬が飼いたいと言って聞かなかったから丁度いい体験になる」


ニコニコしながら説明してる。
その感じでは、奥さんと仲直りできたんだ。


「ちゃんと仲直りされたんてすね…」


お家には帰って来られたんですか?と、余計なことまで聞いちゃう。


「何とかね。でも、代わりに犬飼ってもいい?って聞かれて困った……」


「どうして?可愛いですよ?」


ペソを見ながら話すと、照れくさそうな顔で返事があった。


「犬を飼ったら僕の相手してくれそうにないだろ?だからちょっと迷う」


「あ…その気持ち、なんか分かるかも…」


昨夜の私と同じ。
やっぱりこの人には、何かしら親近感を感じる。


「分かってくれる?君もそんなことあるの?そう言えば彼氏と仲直りした?昨日は少し悄気てたけど…」


「何とか…と言うか、まだしこってますけど……」


今朝のハプニングでどっか飛んでいったという感じ。

早見さんのことは羽田に聞かれたら話そう。
やましい関係じゃないんだし、堂々としてればいいや。


「ふぅん…いろいろ難しいね。まあ上手くやりなよ!」


君は素直だから大丈夫!って……羽田の前だとなかなかそうもいかないんだけどね……。


「ありがとうございます。早見さんも奥様と仲良く」


偉そうにそう言ってしまった。


早見さんが巡回を終えた後で現れた奥さんは、あろうことか私が見たことのある女性で………