『今から帰る』
午後8時、羽田からLINEがあった。
車通勤だから30分もすれば帰ってくるはず。
「あー緊張するぅぅ…!」
料理の下ごしらえは済んでる。
後は焼きを入れるだけ。
献立は豚の生姜焼きにした。
大根と水菜とツナのサラダに、冷奴と枝豆とチーズ鱈のおつまみ付き。
羽田は何と言ってくれるだろう。
喜んでくれるだろうか。
「その前にきちんと話しておかないと……」
今朝会った早見さんは副社長さんで、既婚者だってこと。
散歩の途中で偶然出会って、少し話をしてただけだってこと。
寝言で名前を呼んだのは覚えてもないし、なんて言ったのか返って聞きたいくらいだ…って。
頭の中で言いたいことを整理して料理をし始める。
香ばしい醤油の香りが漂い始めた頃、カチャ…と玄関ドアのカギが開く音がした。
(帰ってきた…!)
ドキン!と跳ね上がる心臓。
ドキドキと胸を震わせながら、リビングに続くドアが開かれるのを待つ。
カチッ。
ドアのバーが下がって隙間が空く。
その隙間を睨む様にしてた視界に現れたのは………
「ペソっ!!」
「キャン!キャン!」
えっ⁉︎ どうして⁉︎ 何でペソがここに⁉︎
驚いたまま固まる。
だって、ここは動物禁止な筈でしょう⁉︎
「ただいま…」
羽田がそう言って顔を覗かせる。
本当は喜んで飛び付きたかったのに、すっかり気が削がれてしまった。
午後8時、羽田からLINEがあった。
車通勤だから30分もすれば帰ってくるはず。
「あー緊張するぅぅ…!」
料理の下ごしらえは済んでる。
後は焼きを入れるだけ。
献立は豚の生姜焼きにした。
大根と水菜とツナのサラダに、冷奴と枝豆とチーズ鱈のおつまみ付き。
羽田は何と言ってくれるだろう。
喜んでくれるだろうか。
「その前にきちんと話しておかないと……」
今朝会った早見さんは副社長さんで、既婚者だってこと。
散歩の途中で偶然出会って、少し話をしてただけだってこと。
寝言で名前を呼んだのは覚えてもないし、なんて言ったのか返って聞きたいくらいだ…って。
頭の中で言いたいことを整理して料理をし始める。
香ばしい醤油の香りが漂い始めた頃、カチャ…と玄関ドアのカギが開く音がした。
(帰ってきた…!)
ドキン!と跳ね上がる心臓。
ドキドキと胸を震わせながら、リビングに続くドアが開かれるのを待つ。
カチッ。
ドアのバーが下がって隙間が空く。
その隙間を睨む様にしてた視界に現れたのは………
「ペソっ!!」
「キャン!キャン!」
えっ⁉︎ どうして⁉︎ 何でペソがここに⁉︎
驚いたまま固まる。
だって、ここは動物禁止な筈でしょう⁉︎
「ただいま…」
羽田がそう言って顔を覗かせる。
本当は喜んで飛び付きたかったのに、すっかり気が削がれてしまった。