視線の先には一人のきれいな男の人がいた。


サラサラの髪

整った顔立ち

背はけんちゃんより少し高いぐらい

いかにも女子にモテそうな人だ


年は2・3歳上に見える。


目が合うと時が止まったような気がした。




「あれだよ」



ユキナが横からこそっと話し掛ける。



「大武雄一。3年生」



「あの人が…」



確かにテレビでみる大武雄一だ。

こんな身近にいるなんて…


大武雄一はぱっと振り返ると、3年生の席へと向かった。



不思議な人…



なんとなくそう思った。





でも

この時はまだ知らなかった


彼との出会いが


私の人生に


大きな影響を与え


夢に近づけてくれるなんて…


知るはずがなかった