そこの一番前の真ん中には予想通りの人影が。



「待っててくれたって良かったのに…」



私は小声でつぶやいた。


後で文句を言ってやろうと心に決め、席についた。

隣にはショートカットの女の子が座っていた。

その子は私の存在に気が付き、笑顔で話し掛けてきた。



「はじめまして♪あたし木野雪奈。よろしく☆」


雪奈と名乗った少女はニカッと笑った。見た感じ体育会系の子だ。



「私は神崎紗矢。こちらこそよろしく!」



私も笑顔で答える。


その後、私とユキナは出身中の話や部活のことなど、多くのことを止まることなく話した。



ユキナがふと思い出したように言う。



「サヤさ、大武雄一って知ってる?」


「大武…雄一…?」



どっかで聞いたことある名前だ。

誰だっけ?