わたしはこれから、今までよりもずっと大きな悲しみをお父さんに残してしまう。


お母さんがいないから、お父さんの事を守るのはわたしなんだって、ずっと思っていた。


お父さんと2人でずっと、一緒にいられると信じていたの。


病気がわかってから、お父さんが引越しをしようって言い出した理由、ちゃんとわかっているよ。

わたしのいた家に、わたしがいない事が、辛かったんだよね。


新しく建てた家に、お父さんがあまり帰っていない事も、知っている。


ごめんね。お父さんのそばに、いられなくて。


もし、お父さんの娘がわたしじゃなくて、もっと健康で明るい子だったなら、お父さんは今、そんな顔をしていないでしょう?


わたしの体はこのままでいいから、お父さんに違う娘をあげて、と何度も願った。

届きはしないと、わかっていたから、もどかしくて何度も泣いたけれど。


でも、それでも。

わたしはお父さんの娘に生まれて、嬉しいよ。

わたしの代わりに誰かがここにいるなんて、信じられないし、考えたくもない。


お父さんが、わたしがいる事で不幸になった事なんて、ないよね。


そう、信じています。

『大好き』と伝えると『お父さんも大好きだ』と笑ってくれる顔が、本当に大好きです。


お父さんが、ずっと幸せでありますように。

お父さんの娘であるわたしが、お父さんの幸せになれますように。


大好きだよ、ずっと。