ドキドキ…。

どうしよう、帰りの会終わっちゃうよ…。

勇真に話しかけなきゃ…。

「きりーつ。礼。」

「「「さようなら」」」

あー、終わっちゃった。

よし、勇気を出して…

「夏希。」

うえぇぇぇー!
勇真に話しかけられたー!
え、これ珍しいんじゃね?

「…夏希?」

「あ、ごめんごめん。なーに?」

あまりに驚いて自分の世界に入っちゃってた。

「あのさ…一緒に帰ろ?」

…神様。いや違うな。この際何でもいい!誰か偉い人!
これは夢でしょうか?メールも送らない勇真が私を誘うなんて…
思わずほっぺをつねりそうになる。

「だめ、かな?」

きゃー!そんな首かしげてちょっと困った顔で聞かれたら
ダメだなんて言えるわけないじゃない!

「夏希…」

「あ、もちろん!帰ろ帰ろ!」

また自分の世界に入っちゃってた。